◆女子プロゴルフツアー メジャー初戦 ワールドレディスサロンパスカップ 第3日(4日、茨城GC東C=6665ヤード、パー72、報知新聞社後援)

 今季米女子ツアーでネリー・コルダ(25)=米国=が、ツアー最多に並ぶ出場5戦連続優勝中と歴史的快進撃を演じて、女子ゴルフ界の注目を一身に集めている。身長178センチでトップモデルのような容姿を持ち、異次元の強さを見せて、米女子ツアーの人気も再燃気配だ。2021年東京五輪金メダリストでもある世界ランク1位の衝撃的な強さの秘密を今大会に出場する、パリ五輪日本代表候補4人に聞いた。第3回は古江彩佳(23)=富士通=。

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 日本ツアー8勝で昨年から米ツアーを主戦場とする古江は、間近で世界ランク1位の強さを目撃した一人だ。今年1月のドライブオン選手権。最終日最終組でコルダと優勝争いを演じた。13アンダーで単独首位のコルダと4打差2位で追う古江。ともに73で回ってコルダが今季初優勝。そこから4月のメジャー初戦、シェブロン選手権まで破竹の出場5連勝中だ。「ポテンシャルがすごくある選手。飛距離もあって安定性もあって、パターもうまい。完璧だなって思います」と古江はコルダの印象を語った。

 優勝を争ったラウンド中、2人で会話する場面も見られた。「ちょこちょこしゃべったりはするんですけど、(2人とも)あんまり試合中はしゃべらないタイプなので」と古江は振り返った。それでも、間近で見た女王のプレーぶりから刺激も受けた。「高い球を打てるので、そこは自分にはまだない部分かなと思うので、マネしたいと思います」とうなずいた。

 コルダの出場5大会連続Vは、1978年のナンシー・ロペス(米国)、2005年のアニカ・ソレンスタム(スウェーデン)に並ぶツアー3人目の偉業となっている。世界ランク1位を不動のものとし、8月のパリ五輪では五輪競技初となる連覇も射程に入る。

 一方の古江は、世界ランク18位の畑岡奈紗に次ぐ日本勢2番手の世界ランク23位で、6月24日に決まるパリ五輪日本代表圏内につけている。2021年東京五輪は2枠の代表の座をギリギリまで争ったが、稲見萌寧が世界ランク27位、古江が同29位と僅差で惜しくも代表入りを逃した。そのため「本当に出たいと思っている。6月までに1つでも優勝したい」とパリ五輪代表入りへの強い思いを口にする。

 古江は今大会は予選落ちとなったが、今後は主戦場の米ツアーへと戻る。今季は3月のブルーベイLPGAの3位を最高に、10戦で4度のトップ10入りと好調だ。米ツアーのポイントランクも日本人最上位の6位につけている。「すごく強い選手なので、強い選手に勝てたら自分も強いって自信になりますし、勝ちたいなとは思います」。米ツアー2勝目に向けて、再び世界最強のコルダとしのぎを削る。

 ◆女子ゴルフのパリ五輪への道 6月24日時点の世界ランクを基準に算定する五輪ポイント上位60人が出場権を得る。〈1〉同ランク15位以内は各国・地域で最大4人〈2〉16位以下は〈1〉の有資格者を含めて最大2人が出られる。大会は8月7日から4日間、フランス「ル・ゴルフナショナル」で72ホールストロークプレーの個人戦で争う。21年東京五輪は畑岡奈紗と稲見萌寧が出場し、稲見が日本ゴルフ界初の表彰台となる銀メダル、畑岡は9位だった。

 ◆ネリー・コルダ 1998年7月28日、米フロリダ州生まれ。25歳。16年にプロ転向し、18年のスウィンギングスカート台湾選手権で米ツアー初優勝。21年全米女子プロ選手権などメジャー2勝を含む通算13勝。21年東京五輪は姉とともに米国代表で出場して金メダル。22年に鎖骨下静脈の血栓の手術をし、4か月間戦線離脱した。178センチ。家族は両親と姉。